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「みんな残業してがんばっているのに、お前だけ定時で帰るとは何事だ」
「多数決で決まったお店なんだから、文句を言ってはいけないよ」
本当にそうでしょうか?
憲法や法律など、社会で暮らすにあたって絶対的に遵守しなければならないルールは存在します。
しかし、その場に集まった人の勝手な判断を集めた多数決のルールや価値観に、従わなければならない義務はありません。
他の誰が何と言おうとも、あなたの選択はあなた自身の価値基準でもって決めましょう。
日本人の価値観では、和を以て貴しとなすことが重視されています。
調和や合意を大切にする考え方自体は決して間違いではありませんが、この言葉が時に日和見主義や全体主義のために悪用されていると感じているのは私だけでしょうか。
例えば、レビューや口コミを参考に商品の購買を決めることがあります。
「みんなが良いと言っている」からその化粧品を選ぶというのは、まだ試したことのない商品についての貴重な情報を活用しているに過ぎません。
しかし、「みんなが良いと言っている」ものを悪く言ってはならない、というのはまったく別の話です。
クラスメイトはみんなおもしろいと言って読んでいる漫画だけど、自分には良さがわからなかった。
そんな時、おもしろいという感想を共有できないだけで責められることがあります。
「見る目がない」とか「真剣に読んでいない」とか、ただ素直な感想を述べただけで非難される可能性があり、“みんな”の敵にならないためにおもしろいという感想を強要されるのです。
和を以て貴しとなすとは本来、このような言論統制ではなく、様々な意見を許容しあい、みんなで協力してがんばろうと思える共通解を探すことだと信じています。
みんなが正しいと言っているから正しいのではありません。
正しいことだからみんなが正しいと感じるのです。
他の人が口にする良さに共感できないときは、決められた契約やルールに則った上で、自分の価値観に従った行動を選択しましょう。
他人の残業や趣味嗜好に対して、横から口出ししてくる方がナンセンスです。
誰かに言われた相対的な価値観よりも、これまで生きてきた時間が導いた絶対的な価値観を信じれば良いと私は思います。
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