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2019年9月26日に将棋の王位戦第7局で、新王位となった木村一基王位は、46歳3ヶ月という最年長で初タイトルを獲得しました。
これは、初めての獲得記録を約半世紀振りに大幅に塗り替えた大記録でした。
年齢的にも若い棋士に勝つことは難しいことです。
木村王位が初めてタイトルに挑戦したのは、約15年前の竜王戦です。
当時、渡辺明現三冠王(永世竜王・永世棋王保持)が、20歳で竜王を獲った後の初めての防衛戦で戦ったのが、木村一基王位です。
この時は、4-0のストレート負けでした。
また、2008年の王座戦では羽生善治王座に0-3で敗退。翌年の棋聖戦では、羽生善治棋聖相手にあと1勝でタイトル奪取というところまで追い込みましたが敗退。
その後も数々のタイトル戦に出場するも全て敗戦。
しかも出場したタイトル戦では、ほぼフルセットのいい勝負をするもののいつも負けてしまうという状態でした。
実力ではいつタイトルを獲ってもおかしくない実力の持ち主なのに、タイトルを獲れないことから本人も「自分はタイトルに縁のない人間なのかもしれない」といったようなことをインタビューで仰っていたこともありました。
非常に高い勝率を誇っていた20代、30代の時でさえ届かなかったタイトルに、自分はタイトルに縁がないと思いながらも、ずっとタイトルを目指すことは並み大抵のことではできません。
そういったモチベーションを一定して持ち続ける精神的な強さは尊敬に値するものがあります。
普通の人であれば、あと1勝でタイトルが獲れるところで敗退するというシチュエーションを8回も繰り返すと、心が折れてしまうものですが、そこから46歳にして悲願の初タイトルを獲った木村一基王位は、座右の銘である百折不撓を体現したのです。
百折不撓とは、何度失敗しても志を曲げないという意味です。
今回の木村一基王位のタイトル獲得は、多くの人に感動と勇気を与えてくれました。
特に、同性代の中高年男性からは「感動して涙が止まらなかった」等の感想が目立ちました。
同じ出来事が起こっても自分の受け取り方が、「自分は駄目なんだ」「自分には価値がないんだ」という考え方に繋がる受け取り方をしやすくなっていると、心が折れやすくなります。
逆に心が折れない人は、失敗しても方法を探り、やり方を見直したり練習量を増やすなど、自分がやりことに向かえるように方向付けるのが上手な人だと言えます。
木村一基王位は、非常に粘り強い棋風で知られていますが、まさにその通りですね。
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