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後世のために

博多区にある承天寺は、700年以上前に謝国明が創建。

博多のために尽くした謝国明が、唐から博多に伝えたのが唐鋏。

 

それが、博多鋏の起源です。

謝国明の墓所がある博多駅前1丁目には、大楠様と大切されている楠木があり、毎年8月21日には、700年以上続く千灯明祭が行われます。

 

謝国明は他にもうどん、そば、饅頭など多くの文化を博多に伝えたとされています。

正確には、聖一国師が伝え、鎌倉時代に現在のうどんとなったようです。

いずれにしても商人の街である博多には、全国に自慢できる文化がたくさんあります。

 

昔、博多区の冷泉町にはたくさんの鍛冶屋があったそうです。

幕末に刀鍛冶師の安河内卯助が、刀剣作りの技法を用いて唐鋏を作ったのが博多鋏の始まりです。

 

シンプルで洗練された博多鋏には、宇の字と菱紋が彫られているのが特徴。

現在、博多鋏を作っているのは4代目となる弟子の高柳さんしかいません。

後継者はいらっしゃるそうですが、一人前にはまだ到達していないと聞きます。

何としても、博多鋏の火は消えないで欲しいものです。

 

兎に角、文化や伝統をないがしろにしてはいけません。

ビジネスを単にお金を稼ぐための手段として考えている人もたくさんいますが、後世のために行動することがどんなに大切なことかを謝国明を見れば明白です。

 

そして、絶対に変えてはいけないのは、お客様や生産者を想う気持ちです。

伝統を守ることは大切なことですが、少しずつ時代のニーズに合わせて変えていかないと必要とされません。

何故なら、環境の中で必要とされないものは、自然に淘汰されてしまうからです。

 

また、伝統があるからといってふんぞり返っていると、人が離れていき必要とされなくなってしまいます。

常に周りの人のためになることを考え行動していくと、自ずと必要とされる存在になれるのです。

必要とされ信用されれば、仕事のオファーも増えます。

 

新しいものを無理に生み出すのではなく、適応した結果として変わっていったたということが大事なのではないでしょうか。

普段からお客様の要望をよく見ることで、微妙な変化を読み取り日々柔軟に変えていくこと。

 

そのために、良いチームワークを作り、どうしなくてはいけないのかを考え、積み重ねていくこと。

結果がすぐに出なくても結果が出るまでやり続けること。こういったことを継続していけば、いつかきっと喜ばれる仕事ができると私は信じています。

自分のやってきたことが、後世に引き継がれていくことができたらそれで満足だと思いませんか。

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