自分のすべてを抱きしめる

ちょっとだけイメージしてみてください。もし、現在の自分が、生まれる前に自ら選んでいたとしたらどうでしょうか？「そんなわけがない。自分で選べるのなら、もっと賢くて美しい姿を選んだはずだ！」こんなふうに答える方もいるかもしれません。生まれる前に選ぶことができたのかどうかわかりませんが、是非自分で選んできたのだと思っていただきたいのです。

一般的な体型と異なっていたとしても、汗っかきでいつもニオイの心配が必要になっていても、10回聞いても理解が難しかったとしても、それでも自分が自分を選んだのだと。この自分だからこそ、できたこともできなかったこともあったでしょう。だからこそ、できた体験と味わった感情もあったはず。弱点を指摘されて落ち込んだこと。落ち込んだ時に、手を差し伸べてもらった嬉しい記憶……どうしても、できるようになりたくて、努力を重ねた日々。弱点ではなく、良いところを見つけて褒めてくれたあの人の言葉。

どれもこれも、今の自分だからこそ経験できたことです。もちろん、嫌な体験もあったと思いますが、それでも嬉しく思えたこともあったはずです。嫌なことがあったからこそ、嬉しいこともはっきりと分かる。仮に嫌なことがまったくなかったら、嬉しいことも見つけられなかったかもしれません。こんなふうに思うと、ただただ自分が愛しく感じられませんか？

能力、容姿、体質について、もし嫌な指摘を受けて落ち込んでいるなら、どうか自分を抱きしめてあげてください。何があっても、「大丈夫だよ」と自分に言ってあげてください。生まれる前に、自ら自分を選んだのかどうかは分かりません。しかし、絶対に違うとも言えないはずです。

辛い時、悲しい時、誰かに抱きしめられることを求める前に、どうか自分が一番先に自分を抱きしめてください。もしかしたら、本当は辛い時、誰でもなく、自分に抱きしめられることを望んでいるのかもしれません。一番そばで、いつも自分を見てくれている自分。自分よりも、自分の頑張りを知っている人はいません。自分を認めてあげてください。