そろそろ引き算のフェーズに入ったかもしれない

私たちは、生まれてから小学校、中学校、高校、大学と、そこでいかに多くのことを学べるのか、注目しながら生きてきました。特別な知識やスキル。そして、誰かと心を通わせ、共に過ごす時間を味わい、豊かな時間と濃厚な人間関係を経験してきました。その延長線上には、友人関係、恋愛、結婚などもあったでしょう。貪欲な人であれば、自分にメリットがありそうな人脈作りに励んできた方もいるかもしれません。

こんなふうに、人生の前半を経験し続けてとうとうあるタイミングに入った時、これまでになかった真逆の思考が湧いてきます。

もっと軽やかに生きていきたい…

本当に必要な人と必要な物。この先の人生に持っていきたい知識とスキル。思い出の品よりも、自分が楽になれるアイテムのほうが心地よいと感じたり。つまり、量ではなく質。ほっこりではなく、ふわり。あるタイミングとは、自分が本当に求めるものだけを携えて第二の人生がスタートする瞬間です。

第二の人生は、何かを身につけて賢くなることではなく、これまで身につけた不要なものを積極的に捨てていく生き方です。長い人生を歩んできたからこそできる、取捨選択。自分を幸せにはしなかった、思い込みや観念などもどんどん捨てる。

本当はしたくないのに、するのが常識であると思い込み、たくさん無理や我慢をしてきたこともあるかもしれません。もう止めましょう。

若い20代のころには見えなかった自分をしあわせにしないあれもこれも、たくさん経験したからこそ自信を持って人生から引いていくことができます。こんなに友達は要らなかった。物よりも、自分の時間のほうが大切だと分った。世間体よりも、自分のやりたいことを優先するほうが得だった……

引っ越しは、断捨離するのに良いタイミングです。これを機に要らない物はどんどん捨てましょう。これまでのしがらみを捨て、新たな地では本音で好きだと思える人と縁を深めていきましょう。ポイントは、相手を尊重しつつ、こちらも本音で優しい言葉で気持ちを伝えることです。